お薬の説明書きに「高齢者は、服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談すること」と書いているものがありますが何故ですか?また高齢者に該当するのは何歳からでしょうか?

高齢者とは、一般的には65歳以上の方が対象となります。
ご高齢の方は、肝臓や腎臓、心臓等の機能が低下している場合があるため、お薬の作用が強く現れてしまう場合があります。したがって服用前に医師、薬剤師または登録販売者に一度ご相談ください。

市販の便秘薬と乳製品を一緒にとると、より効果がでますか?

市販の便秘薬は、いくつか種類があります。その中でビサコジルを主成分とする便秘薬(腸溶錠)は大腸で効果を上げたいので、中性になると溶けるようになっています。
人間は、胃の中は強い酸性で、大腸の中は中性です。牛乳やヨーグルトなど乳製品とこちらの便秘薬を一緒に飲むと、胃の中のpHが上がり、胃で溶けてしまいます。
こちらの便秘薬とそれらの食品を食べる間隔は1時間以上あけるようにしましょう。
また、他の種類の便秘薬は問題ないものもあります。
気になることがありましたら、まずは医師・薬剤師に相談してください。

保湿剤の「ヒルドイド」はドラックストアで購入できますか?

「ヒルドイド」に配合されている“ヘパリン類似物質”という成分が含まれたお薬は市販でも販売していますので購入できます。
処方薬と市販薬では、成分の配合量などで違いがありますので、患部の症状を医師・薬剤師にご相談のうえお薬を使用するようにしてください。

ロキソニンテープとロコアテープの違いは何ですか?

どちらも痛みに対する鎮痛作用を有する貼り薬ですが、それぞれ使い方や効果が異なります。

■ロキソニンテープ
変形性関節症、筋肉中、捻挫、打撲などの外傷による痛みや腫れに対して使用されます。
1日1回患部に貼る。その際、使用枚数の規定はありません。

■ロコアテープ
変形性関節症のみに使用されます。
1日1回患部に貼る。1回に貼る枚数は患部が複数ある場合でも最大2枚までです。それ以上使用すると副作用が現れる可能性がありますので使用量を必ず守りましょう。

それぞれ患部の状態や症状などによりますので、医師や薬剤師の指示にしたがってご相談ください。
またロコアテープは、消化器性潰瘍のある方や、血液に重篤な以上がある方、妊娠中や授乳中の方など使用できない方もいます。
したがって自己判断での使用は避け、必ず医師や薬剤師に相談し、その指示にしたがってご使用ください。

祖父と祖母が薬を上手く飲めません。何か良い方法はありますか?

高齢者の場合、加齢や病気などが原因で嚥下(えんげ)機能が低下することがあります。

嚥下(えんげ)機能とは、口の中の食べものを飲み込み、胃へ送る機能のことです。
そして、口の中の食べものを飲み込む「嚥下」の機能が弱り、食べものをスムーズに胃に送れなくなった状態を「嚥下(えんげ)障害」とも言います。

〈嚥下障害の原因について〉
・加齢にともなう「食べる機能」の低下
・脳梗塞や脳出血といった脳血管障害
・神経や筋肉の病気
・認知症、パーキンソン病や、病気による筋力低下(サルコペニア)など

お薬の服薬については以下のような対応があります。

【粉薬の場合】
・粉薬に、ごく少量の水やぬるま湯を加えてペースト状にして口に入れ、水やぬるま湯を飲んで服用する。
・飲み残さない程度の量の水やぬるま湯に溶かして服用する。

【錠剤の場合】
・粉末状に砕いてから、粉薬の対応と同じように服用する。
・ゼリー、プリンなど、食べ物に混ぜて服用する。
 ※市販の服薬ゼリーには、お子様向けだけでなく高齢者向けのものもあります。

またお薬によっては、混ぜてはいけないものや、砕いてはいけないものもあります。
まずは患者さんの状態を医師や薬剤師に相談し、何となら混ぜていいのか、どういう形状のお薬が良いのかなど、確認したうえでご対応をしてください。

塗り薬は、1回にどのくらいの量を出して塗るのが良いのですか?

ステロイド外用剤(塗り薬)の場合、効果を得るために塗る分量の目安を図る単位があります。
「FTU(フィンガーチップユニット)」と呼ばれる単位です。
FTUとは、大人の人差し指の先から第一関節まで薬を乗せた量で、チューブタイプ(口径が5mm程度)の軟膏やクリームでは、1FTU=約0.5gに相当します。
これを1FTUと呼び、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます(体表面積の約2%)。
※チューブの大きさにより異なる場合があります。
※ローションタイプの場合は1円玉大が1FTUの目安となります。

FTUの考え方は、あくまでステロイド外用薬を塗るときの目安を示したものです。
お薬によっては、塗る量に制限や別の目安が決まっていることがありますので、医師や薬剤師から指示があった場合には、それに従って塗ってください。

また市販薬(OTC薬)では、塗る前にお薬の説明書きに記載された用法・用量を確認してから塗ってください。

塗り薬の軟膏・クリーム・ローションの違いは何ですか?

塗り薬は、基となる成分(基剤)に有効成分を混ぜ合わせて作られています。
基剤とは軟膏、クリーム、ローションのことです。
基剤には主薬を溶かし、それを皮膚に浸透させる役割があります。つまり、基剤に主薬が混ざることで、効果のある塗り薬が出来上がります。
それぞれの基剤には特徴があり、ベタベタ感・刺激・皮膚への浸透性が異なります。また適した病気や部位があったり、逆に部位によって適さないため避けた方が良いものもあります。

【軟膏の一般的な特長】
軟膏は、ワセリンなどの脂肪に薬の成分が入った塗り薬です。全身ほとんどの場所に塗ることの出来る万能な塗り薬です。

・ほとんどの皮膚疾患に使用できます。
・カサカサした乾燥した患部や、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部にも使用できます。
・保湿力が高く、皮膚を保護する効果があります。
・皮膚への刺激が弱いので、肌の弱い方にも向いています。
・クリームやローションに比べるとベタつきを強く、使いにくく感じることがあります。

【クリームの一般的な特長】
クリームは、水分と油性成分を混ぜて乳化したものに薬の成分が入った塗り薬です。軟膏と比べると皮膚から吸収されやすいのですが、軟膏のようにどこにでも塗ることができるわけではありません。

・水虫や筋肉痛など、皮膚の深いところにぬり薬を浸透せたい患部への使用に適しています。
・軟膏に比べ刺激が強いので、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部には適していません。
・塗った時にさらっとなめらかで、のびが良く、ベトつきにくいです。
・水で簡単に洗い流せるますが、汗などでも流れやすいです。

【ローションの一般的な特長】
ローションは水やアルコールに薬の成分が入っているものです。ローションは即効性に優れているのでかゆみ止めや痛み止めなどに使われることが多いのが特徴ですが、クリーム同様にどこにでも塗れるわけではありません。

・頭部などの塗りづらい患部への使用に適しています。
・軟膏に比べ刺激が強いので、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部には適していません。
・サラサラとしていて塗りやすいです。
・皮膚への吸収率が高いです。
・持続時間が短く、物足りなさを感じることもあります。

上記は、それぞれの一般的な特長であり、薬剤により異なる場合がありますので、ご使用になる塗り薬で疑問がありましたら医師・薬剤師にご相談ください。

塗り薬を使用する時はどんなことに注意したら良いですか?

薬を清潔に取り扱いながら、以下の点を気を付けていただき使用してください。
・薬の使用前後には必ず手を洗いましょう。
・薬のチューブの口を患部に直接つけて塗るのは避けて、いったん指に取ってから、もしくは綿棒などで取って患部に塗るようにしましょう。チューブの口を直接患部につけてしまうと、チューブに細菌などが入り込んでしまい、使えなくなることがあります。
・使用期限を必ず守りましょう。開封後は3カ月以内を期限の目途とするようにしてください。
・薬が変色していたり変わった点がある場合は、使用期限内でも使用は避けてください。

処方された睡眠薬を飲んでいたのですが、無くなってしまいました。代わりに睡眠改善薬を飲んでよいですか?

医師や調剤薬局から処方される睡眠薬と、ドラッグストアなどで自分で選んで買える一般用医薬品(OTC医薬品)の睡眠改善薬は基本的作用が異なります。
睡眠薬は医師や薬剤師による診断のもと処方せんを受けて服用するものです。自己判断で睡眠改善薬の服用は避けてください。
薬が無くなってしまった時は、医師・薬剤師にご相談ください。

睡眠薬を服用する時に注意する点を教えてください。

睡眠薬は正しい使い方をすれば安全で効果的な薬ですので、以下の点に注意しながら上手に睡眠薬を服用しましょう。

・決められた用法と用量を守りましょう
「睡眠薬を飲んでも効果を感じない」「もっとぐっすり眠りたい」といって、追加で薬を服用したり、決められた量より多く服用することはやめてください。
用法・用量は、患者さんの状態を診て医師や薬剤師が決めたものですので、睡眠薬の効果が感じられない場合は、早めに医師・薬剤師にご相談ください。

・服用後は横になりましょう
睡眠薬の効果は、服用後約30~60分であらわれます。服用後に活動していると、眠りにつくタイミングを逃してしまい、かえって眠れなくなってしまうこともあります。睡眠薬を服用したらすぐに横になり眠りにつくようにしましょう。

・アルコールと一緒に服用は止めてください
睡眠薬とアルコールを一緒に服用すると、両方の作用が強まり、ふらつき、一時的な記憶障害、もうろう状態などの副作用が現われることがあるので、一緒に飲むことは絶対に避けてください。

・自己判断で服用を止めないでください
睡眠薬を急に止めてしまうと、反動で眠れなくなったり不安感が強く出てしまい、かえって不眠を悪化させてしまうことがあります。
睡眠薬を止める時は、徐々に減らしていくことが大切です。

睡眠薬で不安なことや、止めたいと思うことがあれば、まずは医師・薬剤師に相談してください。