塗り薬は、基となる成分(基剤)に有効成分を混ぜ合わせて作られています。
基剤とは軟膏、クリーム、ローションのことです。
基剤には主薬を溶かし、それを皮膚に浸透させる役割があります。つまり、基剤に主薬が混ざることで、効果のある塗り薬が出来上がります。
それぞれの基剤には特徴があり、ベタベタ感・刺激・皮膚への浸透性が異なります。また適した病気や部位があったり、逆に部位によって適さないため避けた方が良いものもあります。
【軟膏の一般的な特長】
軟膏は、ワセリンなどの脂肪に薬の成分が入った塗り薬です。全身ほとんどの場所に塗ることの出来る万能な塗り薬です。
・ほとんどの皮膚疾患に使用できます。
・カサカサした乾燥した患部や、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部にも使用できます。
・保湿力が高く、皮膚を保護する効果があります。
・皮膚への刺激が弱いので、肌の弱い方にも向いています。
・クリームやローションに比べるとベタつきを強く、使いにくく感じることがあります。
【クリームの一般的な特長】
クリームは、水分と油性成分を混ぜて乳化したものに薬の成分が入った塗り薬です。軟膏と比べると皮膚から吸収されやすいのですが、軟膏のようにどこにでも塗ることができるわけではありません。
・水虫や筋肉痛など、皮膚の深いところにぬり薬を浸透せたい患部への使用に適しています。
・軟膏に比べ刺激が強いので、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部には適していません。
・塗った時にさらっとなめらかで、のびが良く、ベトつきにくいです。
・水で簡単に洗い流せるますが、汗などでも流れやすいです。
【ローションの一般的な特長】
ローションは水やアルコールに薬の成分が入っているものです。ローションは即効性に優れているのでかゆみ止めや痛み止めなどに使われることが多いのが特徴ですが、クリーム同様にどこにでも塗れるわけではありません。
・頭部などの塗りづらい患部への使用に適しています。
・軟膏に比べ刺激が強いので、ジュクジュクした湿潤した患部や傷の患部には適していません。
・サラサラとしていて塗りやすいです。
・皮膚への吸収率が高いです。
・持続時間が短く、物足りなさを感じることもあります。
上記は、それぞれの一般的な特長であり、薬剤により異なる場合がありますので、ご使用になる塗り薬で疑問がありましたら医師・薬剤師にご相談ください。